2014.12.27
銀煙管の修理方法Part1~火皿・羅宇・吸口・四分一象嵌~
あ~増税前で色々雑務やらめんど~(怒)送料なんか超ハンパんなっちゃって¥672とか。740円税込¥777て確変か!・・・つーことで久々にやりがいと言うか修理しがいのあるキセルの修理方法、工程なんぞをご紹介したいと思います。キセラーの皆様お手元のマイキセルと共にご拝読願います。延べではありゃせんが、銀煙管ですなうむ。ラオは黒斑竹でしょうな多分。吸口と雁首は銀地に四分一を巻き象嵌してあるモノとしては凝っていてかなり上物ですぞうむ。なにやらヤフオクで安く買ったというお客人。今回の修理費の方が高いと嘆いておられましたが多分販売者の方眼力無しと多少キズ凹み見受けられるところによるかと。でも考えても見てくだされヤフオクで売った者只の転売者にて作者さにあらず。仮に職人一つ作るとなればそれなりの金銭やむなし是即ち修繕も同様也。まずはバラシますぞ。うーむグレー斑点模様に煮色された四分一が品高く美しい。雁首のほうは良く手でさわるので銅合金の地色が見えてるね。ラオも良く使い込まれ竹油で光沢が綺麗。ちなみにラオとはラオスで取れる竹を使用していたからこう呼ばれる様になったとか。やはりここは中古品。雁首から火皿にかけ損耗激しす。見てホラ穴あき。アナーキーですよ。アナーキーin THE UKですよ。火皿側の雁首見ると凹みが大きい。コレいわゆる吸い終り灰を落とすのに硬いザラ灰の角でコン!てやっちまってます。キセラーの皆さん灰落としは専用の竹製のものならまだしもガラスとか金属の灰皿角で叩いちゃあいけませんよ。外見はなかなか綺麗だったんですがね。。。中の様子は想像以上。ヤニが相当溜まってらっしゃる。外面似菩薩内心如夜叉とはよくいったもので・・・キセラーの皆様こういう女性には気をつけましょう~超音波洗浄っこれでもか、やってもやっても滲み出てきます。掃除結構大変でした。穴あきの火皿と亀裂の入った雁首をちょうど首の辺りで切り落とします。御免!んで、新しく雁首部分と火皿を銀で作り、据えロー付けします。この微妙な角度、カラゲ線も使えないし、ピンセットでも挟めないので何気に難しかった。ロー付けって一瞬のズレが命取りになるからね。ロー付けのやり直しは劣化の元なので極力避けたし。酸洗い後でございます。角度、横縦の位置、問題なくちゃんと付いてくれました。四分一の煮色が飛んじゃって完全に銅色になってもうた。さあここからこの煙管専用道具達の出番です。こいつ等を使って火皿の丸み調整や角度等を整形していきます。ここの調整で刻みの詰めや、要は使いやすさが決まるところです。 銀煙管の修理方法Part2 >>
2014.11.01
銀煙管の作り方Part3~鯉の滝登り図~
約8寸銀延べ煙管、鯉の滝登り図。PRAT3伝統技法である色上げをしていきます。鯉は黒四分一を使う。四分一に赤銅を混ぜて色上げすると茶グレーっぽくなる。銅合金も全て一から作る。初めに研究して作った人は偶然できたのか。努力したのか定かではない。紅葉は素赤(銅)家紋は赤銅(三分)鯉は黒四分一下の小さい紅葉は真鍮素赤の紅葉は緋銅にしなければならない。赤銅は金性が多くなるほど黒くなる。使ったのは三分。真っ黒っていうより紫がかった黒なので「烏の濡れ羽色」という表現をされる。だから別名「烏金」(からすがね)ともいう。四分一は別名「朧銀」ろうぎん、おぼろぎん。それぞれのパーツを本体に取り付け加工する。それからこのメロンソーダで煮るのである。そこらへんにあるファンタのメロンソーダではダメで鳥取県鳥取市南吉方3丁目にある喫茶ルノアールのメロンソーダに店長の唾入りでなければぜったいダ・・・緑青と硫酸銅です。劇薬だよ♪そんなこんなで・・・少々画像デカイですが完成です。緋銅の赤も綺麗に出てます♪今回のご注文は本当に勉強になりました~銀延べ煙管・鯉の滝登り図 Fin
2014.11.01
銀煙管の作り方Part2~鯉の滝登り図~
伝統技法である色上げを用いたご注文。鯉の滝登り銀延べ煙管8寸パートTWOようやく全体がそれらしく均等に丸まったら継ぎ目をロー付けにて塞ぐ。水で漏れがないかチェック。でないとヤニ漏れするからね。ほんでもって次の作業「くびきめ」これが一番難しかった・・・中の空洞を丸いカタチで維持させながら全体を鎚で叩きながら曲げる!(笑)初めゼンっゼンっ曲がってくんないの(泣)っていうか伝統職人は凄いわやっぱ。これ量産すんならもっと補助具いっぱい必要。ここにスゲェ時間かかった・・・「さらつけ」作業火皿であるカップ状の物をつくり嵌め込みロウ付けする。作業は「ヤニ止めつけ」から「ならし」、「やすり」→「キサゲ」→「磨き」へと続く。もうほぼ本体完成。実用には差し支えない。ここからは装飾を施していく。今回は鯉の滝登り図なのでまず背景の滝と紅葉の木を彫り込んでいく。全長八寸。煙管では長い方ですね約24センチ。重量もそれなりにあり渋カッコいい。鬼平犯科帳みたい(笑)こんな銀煙管を注文してくれる日本人がまだいるということを日本国民は誇りに思わなければならんでしょうマジで。外人見たら絶対リスペクトでしょう。日本の悲しい所って決して戦争の敗北なんかではなくて自ら誇りを棄ててしまった所にあると思う。いくらケンカに負けてもイジメられても媚びない道はあるわけで。どんな文明も最後は滅びる。どうせ同じ滅びるなら媚びて滅するより媚びずに死んだ方が良いでしょう。装飾に使う紅葉を銅、真鍮の2つの素材を使って作る。ここからは伝統技法中の伝統技法、銅合金に色をつける色上げという加工法です。いや~難しい!っていうか金工の分野が深すぎだし、決してオープンな世界じゃないので一生掛かってもゴールは無いでしょう多分。 銀煙管の作り方Part3 >>