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2015.05.09
アミ小さな宇宙人  エンリケ・バリオス著
アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)さくらももこさんのイラストと心温まる雰囲気のある素晴らしい本。宇宙人アミと少年ペドゥリートの対話式に展開される愛の伝道的ストーリーです。とても1986年に出版されたとは思えない垢抜けて洗練された科学論理、精神論だなと思う。この手のスピリチュアル思想本ってどこか著者の宗教的、趣向的な偏りと、どうしても説教くさくなってしまいがちなんだけど、「愛」を文明の進んだ存在アミ側から、精神論だけで説くのではなく、科学論理的な側面からも少年にもわかる”簡単なことば”で対話式に説いていく”読みやすさ”が良いと思います。著者エンリケ・バリオスの半生を”真理探求”に捧げた奥行きのある思想が改めて覗えます。         ※以下感想ネタバレ注意※        全体の物語は素晴らしく良いのだが、またこういう雰囲気の物語に仕上げるには”こうする他なかった”のかも知れないけど、どうしても消化しきれなかったのは次の2点かなあ~と思う。アミ思想に出てくる「アンチ肉食」と愛の度数を計る「センソメトロ」の2つ。これがどうしても消化できなかった。以下にこの2つの理由を挙げます。【アンチ肉食】外の星から来た高度な文明を持つ存在であるはずなのに地球の長い歴史であろう肉食を「死肉を食べるなんて気持ち悪い!」と何ら科学的、論理的思考もなしに非難しちゃうんですよねコイツは・・・。さらにアミと別れた少年ペドゥリートも「死肉は食べない」と何の抵抗も無く受け入れてしまう。ここは著者の菜食主義の飛躍した勧め(若干押付け・・・)を感じてしまう。アボリジニ文化にも触れている著者なのに彼らの食生活をどう受け入れたんだろう?と若干疑問の部分です。【センソメトロ】愛の度数という、そもそも「愛」を数値に置き換えてしまう思想がえ?と思いました。「愛に基づかないものは滅びる」がアミ思想ですからその数値自体が存在価値の有無を絶対的に決めてしまうのは一見すると非常に恐い思想でもある。この思想は何となくキリスト教のネガティブ・モチベーション(信じなければ救われない)になってしまい結果「無償の愛」ではなく「条件付の愛」になってしまうのが、んん~・・・と思うところ。食については、はたして「肉食」=「動物がかわいそう」や「人間の身勝手さ」だけに位置付けられるんだろうか?という問題である。ましてや「気持ち悪い!」と言うアミのニュアンスは「かわいそう」という倫理的な部分とは相反している気さえする。長い生命進化において原始から「弱肉強食」という揺るぎない法則がありそれは現代においても文明社会の本能的な基本原理として引き継がれ「経済」という表層を成している。これらはそこへ至った長い歴史があり生命体は「食物連鎖」という食べる食べられるという関わりあいの中で進化してきたのだ。こういった一切の真実、歴史を「気持ち悪い!」の一言で片づけちゃうって、アボリジニの生活に取材に飛び込んだ現代人が「うわ!お前カブトムシの幼虫なんか喰うの?生で?キモっ!」ってアボリジニ当人の前で言うか?っていう位のレベルでしょ。ウルルン滞在気で馬鹿そうなアイドルでも一応アマゾンの奥地とかでギャーギャー言いながら虫かじったりするでしょうに~と思ってまうんですよに~   アミ小さな宇宙人シリーズ3部作  
2015.05.01
GWのお知らせ ~5/3・4・5・6~ ローストビーフ
まずGWのお知らせです。5/3~6まで休業致します。何卒宜しくお願い申し上げます。もう店の前の通りもGWの雰囲気満載でマ~ッタリとしておる所へ毎年恒例の労働組合のストライキデモ行進が警察に見守られながらアンチ阿部政権を叫んでおりました。製作にも集中できずデモ隊の拡声器から聞こえるオヤジの気だるそうな掛け声がまるで暑い昼間の青空に溶けこんでいくコーランの様に聞こえてきて白昼夢さながら異国をトリップしている様な不思議な感覚に襲われました。ふと、店の自動ドアがガーッと開き出前姿のオヤジがひとり。「ホラッこれ食べてみてっ」おおっ!なんと、いきなり目の前に差し出される美味しそうな一品料理。造屋のすぐ左隣「とみやま」の店主、中谷さんが自慢のローストビーフを差し入れてくれたのです。なんて人徳の高そうな朗らかな笑顔を発する人なんだこの人は・・・。なんでもこのローストビーフ25年研究して辿り着いたと言う中谷さんお得意の料理らしい。それもそのはず、中谷さんは日本料理を若かりし頃より修業してきた方で、盤石な割烹料理精神の上に味への探究心が加わり”本物しか出したくない”という確固たる信念の持ち主なのです。・・・カウンター越しに鈍く光る包丁たちがその腕と歴史を物語っております・・・25年かけて完成した味を25秒くらいで完食してしまいました・・・いや、もう、添えてあるお野菜たちがまず香ばしく炙られていて品格のある味なんです。そして、サイコロ状にカットされたそのローストビーフがキメの細かい上品なサシが口の中でいつの間にか昇華していく美味しさ!味付けは厳選した岩塩のみだと。肉にうるさい人なら分かると思いますがシンプルに食べて美味いのが本物なんです。フィレンツェで食べたビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを思い出してしまいました。ほんとに美味しかったです!ありがとうございます中谷さん。日本料理とみやま
2015.04.27
ブラックダイアモンドリング ~サイズ調整加工~
さて、新生ブログにしてから2記事めの投稿になります。SE沢野井氏から「ブログ発足してからしばらくはがんばって投稿し続けてください」と催促されたので、頑張って過去のリフォーム加工や修理加工の記録なんかを引っ張り出してきてアップしております。ちなみに、「前ブログの記事こっちに移せないの?」「コピペは?」など幾つか愚問をぶつけてみた所、「ブログの全引越しはお金がかかります」と。また、全ブログ記事と同じ内容を要はフルコピペしちゃうと、ミラーナンチャラという検索エンジンの禁止事項に引っかかりSEO逆効果らしい。・・・あ~っ!!ほんっとにPCってメンドクセエなああ~~!とつくづく思うのでありやんした。。。本題のブラックダイアモンドリングの加工例です。まあ結構デカイ黒金剛石が鎮座しておるんですが、加工目的はサイズ直し。が、ちょっと難あるリングだったんだこれが。。一見veryveryラグジュアリーなブラックダイアモンドの指輪なんですが、よ~く見ると・・・中央あたりになんか線が・・・なんと!クラック入り。タテにピシッといってます。20Xルーペを覗き込んでみると結構深め・・・そうブラックは割れるんですよ。皆様ダイアは割れない宝石だと考える方が常識ですが、カラーダイア、ファンシーダイアモンドとも言いますがその中でも特に黒い奴は割れるんです。お客様酔っ払って喧嘩でもしちゃったんでしょうかね。強い衝撃を受けるとブラックは割れるので注意。で!、サイズ調整加工にあたり溶接必須なのでブラック含め取り巻きメレダイアも全部外してやらなきゃいけません。もちろん一番神経すり減らす石はこのクラック入りブラック。このクラックがどこまでの深度なのかは実際ツメから外してみなきゃ分からんのですよ。そらもうスリルな秘密、この世はでっかい宝島なんですよ。恐怖しかありまへん。まあ他店断られまくりでしょう。・・・正直、自信なかったもんなあ・・・・・・でも、4つのツメを、細心の注意と今までの経験と勘を頼りにゆ~っくり、ゆ~っくりと石から離していき無事外せました。あとは、残りのメレも外していく。サイズ調整でR角が変わり、石座も変形するのでこのままではこのブラックちゃんはちゃんと座ってくれません。なので、石座も座りが良いように切削加工する。石座にセットする時もまた神経集中しましたが、割れも無くまあなんとか結果オーライでした。でも今後の使用に当たりは注意して下さいとオーナー様には一言添えておきました。まあこんな、問題児お抱えの方おりましたら一度見せてください。直せるものは直しますので。宜しくお願いします。