ロケットストーブ【試運転】 ~オフグリッドへの道その4・ロケットストーブ~
2018.07.23
「ロケットストーブ【製作】 ~オフグリッドへの道その3・ロケットストーブ~」の続き

さあガスゼロ電気ゼロのオフグリッド熱源機「ロケットストーヴ」の初運転。
自分で作ったものを初めて試す時っていうのは何とも楽しい♪ドキドキワクワク♪



着火後数分の状態。うっす~ら煙が出てきた。
ちなみに乗せている五徳は家のキッチンから拝借してるので、後で100均か何かで買おうかと思ったらこのような五徳が売ってなく、ネットで探すと五徳1個で千数百円~二千円近くと意外に高い。なので100均のステンレス製の鍋置きみたいなのを購入した。



10分以上経過。燃料口から覗くと炎が中へ吸い込まれていく。
これはペール缶内部の垂直の排気筒が暖められ上昇気流が生じる為だ。
只この燃料口に廃材を入れるだけで常にエアの引きがあるのでまるで内輪で扇いでいるような燃焼が起きる。
ここがロケットストーブの最大の売りである「燃焼効率の良さ」だ。
ペール缶内部のパーライトが外気との断熱と排気筒の保温に一役かっている。



廃材を突っ込む。
炎は内部へ引き込まれるので上には燃えてこない。



かなり高温になってきた。
今の所、排気筒内部の耐熱モルタルのひび割れや崩れなんかも一切無い。
ロケットストーブ自体もかなり暖かく、これ一つでも立派な暖房器具になりそうな勢い。
冬だったら一際ありがたく感じるでしょう。



上から排気筒内部を見る。
内部は赤熱している。
かなり熱くずーっと手をかざしていられない。
とりあえず実験でお湯でも沸かす事に。



五徳の高さが無いせいかコンロ部分を塞ぎすぎると燃料口の引きが弱まり火があがる。
上昇気流の流れは止めちゃいけないんだね・・・



やかんがピーピー言い始めた。沸騰するまで15分位はたったろうか。
やかんにも並々水を入れたのとコンロ部分をいかに塞がないかとか、なにぶん初めてなので燃料の配分や用意も覚束なかったのあるので、そのへんを改善すればもっと早くお湯を沸かせると思う。



試運転で沸かしたお湯で淹れたコーヒー。
やっぱりまろやかで口当りが違う、とか言いたかったが味は普段と全く変わらなかった。
まあ当然っちゃ当然か。・・・でも美味い。



試運転も終えて、ストーブ全体も冷めてきたところ。
排気筒内側の断熱モルタルは黒く煤等はついている物の、ヒビや割れ一切無し。
でもまだ使用1回だけだから大丈夫なだけかもしれない。

今後も何回か使用して様子を見ようかと思う。まあ割れたら補修するだけなんだけど。
他に気づいた点は、今回湿った廃材を使ったからかやかんに木酢液のようなものがかなり付いた。
コンロ上部にボウルみたいなものを設置すれば木酢液も取れるかもしれない。

とりあえずは試運転、成功でしょう。
コーヒーも飲めたし。めでたしめでたし♪


~fin~
2018.07.23 14:33 | PL | PRIMITIVE |
ロケットストーブ【製作】 ~オフグリッドへの道その3・ロケットストーブ~
2018.07.21
「ロケットストーブ【材料】 ~オフグリッドへの道その2・ロケットストーブ~」の続き

・ロケットストーブの製作

今回、ステンレス排気筒の内側に耐火モルタルを塗るので、喰い付きを良くする為内側を傷つけてザラつかせておく。



写真はマジックロンという塗装のケレンで良く使うもの。台所にある金属タワシとかでも全然いいと思う。
 

 
まあ、こんぐらい傷つけば良いんじゃないでしょうか。 


 
そこへ練った耐火モルタルを木の丸棒で塗っていく。塗るっていうか盛るっていう感じ。意外と張り付くようで全然落ちてこない。モルタルの硬さはマヨネーズ位かな? 


 
ストレート、T字、エビ曲がりを初めは各パーツごとに塗っておく。もちろん筒をはめ込むのり代は部分は塗らずに、パーツを組んでからジョイント部分なんかをもう一度塗っていく。意外とモルタル乾くのが早いので、一度練ったら手早く塗っていく。硬く感じたら水を少し足しながら。


 
エビ曲がりとストレートをジョイントした繋ぎ目を長めの丸棒を使って塗っていく。唯一大変なのがこの辺くらいで意外と塗りの作業は楽勝。もっと内側に貼りつかなくて塗ってる傍からモルタルがボソボソと落ちてくるかと思いきや、まあすんなり終わりやした。


 
さあ次はペール缶に排気筒を通す穴をあける。
寸法測ってマジックペンで下絵を書いといた方が良い。円に対し16等分の線を引いとく。 


 
金切りバサミを用意。銀板切ったりするのに商売柄こんな道具は持ってるのでいいが、普通の人はDIYやる人じゃないと余り持ってないかな?代替ツールはサンダー位かなあ~。金切バサミ便利なので無ければ買っといて損はない。



金切ばさみ ※直刃が良いです。曲がりや波刃もありますが使いにくい...

菊光 柳刃 ¥1728
KENOH ¥950



 
まず中央に穴をあける。缶の肉厚薄いのですぐ空く。


 
んで金切りバサミの片刃から突っ込んでいって、切っていく。サクサク切れる。ぜんぜん大変じゃない。 


 
中央側の三角形の先端は1cm位で全て切っときましょう。


 
ペール缶の横腹、各フタ、もう一方のペール缶の底の計4ヶ所に穴をあけておく。


 
排気筒「ストレート+エビ曲がり」をペール缶の内側から横腹へ外へ出し、パーライトを充填する。この時、横腹の穴は内側へ切辺を折っていると思うので、排気筒ごと針金で固定しても良し。


 
パーライト充填するとき意外と粉塵が舞うので外でやった方が良いかも。


 
で、1段目にフタをするんですが、そのフタに前もって4箇所ビス穴をあけてナットを固定しておく。上の2段目としっかり固定する為のネジ。


 

2段目の内部を覗いたところ。底面に1段目のビス穴がちょうど通る位置にこちらも穴をあけておく。穴にネジを通してナットで4ヶ所固定した所。

 
 
2段目を重ねて固定した外観。つなぎ目内部では1段目フタと2段目底の穴を排気筒が通るのでかなり排気筒の支えになりしっかり固定される結果となった。あとは2段目にもパーライトを充填する。


  
2段目にもフタをして、T字を取り付ける。
最後にT字とエビ曲がりのジョイント部分をモルタルで塗って完成。


「ロケットストーブ【試運転】 ~オフグリッドへの道その4」へ続く 

 
2018.07.21 14:27 | PL | PRIMITIVE |
ロケットストーブ【材料】 ~オフグリッドへの道その2・ロケットストーブ~
2018.07.20
電気止まった。ガス止まった。水道止まった。ライターガス欠。マッチ湿気て点かない。
そんな事態でも自力で発火できるようにはなった。
焚き木でも暖をとったり簡素な調理ならできる。が限界があるし何しろ効率が悪い。
そこで災害時に威力を発揮するロケットストーブ。
燃焼効率が良いので廃材や少々湿気た材でも燃料になるのが利点だ。
主な材料は以下、

・ペール缶2個


・パーライト40ℓ


・ステンレス排気筒100㎜φのストレート、L字、T字の3種類


・ステンレス管の内側に耐火モルタルを塗る

今回このステンレス管の内側に耐火モルタルを塗ることにした。
理由はロケットストーブ制作にあたり下調べしたりググったりと情報収集した結果、どうやらステンレス管が長期間高温にさらされる事で劣化して穴が開いてしまい、ロケットストーブ最大のメリットである高燃焼システムそのものに欠陥が出てしまうらしいのだ。
どうやらここがこの簡単に作れる割に高いパフォーマンスを誇るペール缶ストーブの唯一の弱点と思えた。
薄いステンレス管の内側にモルタルを塗って高温に曝すんだからどうせすぐにボロボロと剥がれ落ちるだろ、と容易く想像できるからか”内側に塗る同志”はググっても現れなかった。
ならばNo Challenge,No Success!と思った次第である。



・材料調達
パーライト、ステンレス排気筒、耐火モルタルはホームセンターで購入するのが手っ取り早いと思う。
パーライトは土壌改良剤という軽い発泡スチロールみたいな物で、園芸をやっている人なら既に持っているかもしれない。
ペール缶もホームセンター等で売っているが、ガソリンスタンドで使用済のペール缶を譲って貰えるらしく出来る事ならその方がコスト削減にもなるし廃棄物再利用するのでエコにも繋がると思う。

で、どこのガソリンスタンドから譲ってくれるか聞いてみようと思った時ロケットストーブの記事を書いていたneoearthlife.comさんの体験を思い出したのである。”コスモ石油では断られたがエネオスでは貰えた”との内容。やはり人間いくら廃缶と言えど人に「あの~〇〇譲って貰えませんか?」と言うセリフは気が引けるもんで、その上断られるって何気に心的ダメージを喰らうものだ。なので圏内のエネオスに恐縮混じりに電話してみるや「いいすよ~」とすこぶる気の良い返事が。電話1件目で譲ってもらえる事となった。しかもちょうど2個ありますよ~、という爽やかな対応。早速エネオスへ赴き、もちろん車にもガソリンを入れ、お茶のペットボトル4~5本差し入れを忘れず、ペール缶2個を譲ってもらった。
各材料、Amazonでも売ってたので一応以下に載せておく。


パーライト10ℓ/¥240




ステンレス排気筒

・ストレート/¥1188


・エビ曲がり/¥1375


・T字/¥2313



耐火モルタル ¥1158/2kg




ペール缶 ¥980/1個






・フタ付きペール缶の開け方

ちなみに譲ってもらったペール缶はフタ付きのものだった。
ネットで紹介されているロケットストーブはフタ無しのものが多く見受けられたので、まずこのフタの外し方から解からない方がいるかもしれないので紹介しときます。



フタのはずし方。
マイナスドライバーをフタの縁にある爪の穴に差し込んで、グイーッと上に持ち上げる。
ぐるりとフタ一周爪を持ち上げるとフタが外れる。



サスティナオイルが少々残っている。



もう一個の缶を数時間このままにしておいて、溜まったサスティナオイルをペットボトル容器に回収すると結構な量になった。
先日、通勤に使っている自転車のスプロケットやチェーンが汚れていたので、この残サスティナオイルを塗ってみると見事に洗浄してくれた。さすが最適粘度に配合された科学オイル。貰ったペール缶でこんな恩恵まであろうとは想像していなかった。


ロケットストーブ【製作】 ~オフグリッドへの道その3・ロケットストーブ~へ続く


2018.07.20 11:20 | PL | PRIMITIVE |